ようやくたどり着いた
下関
陸の端
平氏が藻屑と消えた海があり
でもそのすぐ向こうに陸地が見える
この狭い海峡を
一日500隻を超える船が行き交うのだとか
山の迫る狭い海峡を
ひっきりなしに船が通る
見上げれば橋
海岸のベンチでぼーっと行き交う船を見ているだけで
数時間は過ごせる自信があるね
地図を見ての通り
下関は南西に向かって長く延びている
そして門司が北東に向かって突き出している
まるで
お団子をちぎって
延びたところをちょっと並べてみました
って感じ
道路は
JR下関駅のところで
大きくぐるりと向きを変える
そしてそこまでが国道191
そこから国道9号
おや、国道9号
ずっと旅してた山陰道ではないか
なんだか旧友にあった気分だね
下関駅近くの海峡メッセに
「海峡ゆめタワー」があるよ
夜にはライトアップされる
30階に展望室があるから行ってみよう
タワーの入場料は600円で
タワーにしては良心的なお値段
(タワーに入場すると駐車料金5時間まで無料)
ここからは海峡も大橋も日本海も見える
ちょっと遠目なんだけどね…
下関に着いたら
ぜひ行っておきたいな
ただしカップルだらけなのは
大目に見てね
JR在来線が地下に入っていくところが
彦島だ
最初の地図を見てもらうと
確かに小倉にはこっちが近い
ここに橋をかけようという計画がある
それが下関北九州道路
「山口は安倍さんの地元
福岡は麻生さんの地元
だから忖度して云々」の
忖度発言で注目された道路だけど
必要❓
不要論に一票
橋はね、天候次第で通行止めになるのだ
単純に通すだけなら
海底トンネルのほうがいいよ
二つも橋があったらどっちも価値が下がるしね
この彦島の手前で
東行きの大型船舶は
たいてい少し減速する
水先案内人(パイロット)を乗せるためだ
関門海峡は日に4回も潮の流れが変わるうえに
潮流が最大4ノット(1秒に約2メートル)で
風もあるし岩礁もある
そのうえカーブまでしてる
危険極まりない海峡だ
10000t以上の大型船は
パイロットを乗せなければならない決まりになってる
いちばん上の地図で
彦島のすこし北
航路が二手に分かれている
その六連島の灯台付近で
船にパイロットを乗せる
そして
関門海峡を通り過ぎ
瀬戸内海に入った太刀浦海岸付近で降ろす
船舶の航行には安全が図られているのだね
遅い船に速い船、大型船に小型船と
見ていて飽きないのは
そんな安心感があるからかもしれない
さあ
行き交う船を見に行こう
ついでに昼ごはんも
唐戸市場(からといちば)は
観光客の台所
週末限定だけど
海鮮丼や握り寿司を買って
デッキなどで食べられるよ
それが唐戸市場「活きいき馬関街」
(卸売市場が週末だけ小売に模様替え)
寿司は1貫から買えるから
あちこちのお店で買って
自分だけの盛り合わせを作れるし
ウニ丼などの海鮮丼もある
平日は寿司などはないけれど
美味しい魚が買える
場内に回転寿司もあるよ
唐戸市場前のデッキや市場屋上の芝生広場は
海を眺める絶好のスポット
すぐ目の前を船が行き交う
音もなかなかの迫力
潮風に吹かれて行き交う船を眺めながら
握りや海鮮丼を食べるなんて
最高だよね
数年前の9月の連休に行ったんだけど
ものすごく混んでたから
早い時間のほうが絶対にいい
日曜祝日は朝8時からやってるし
金曜土曜も10時から
早いほうが魚の種類も豊富
マグロの脳天を初めて食べたけど
歯応えのある中トロって感じ
せっかくここまで来たんだから
船にも乗っちゃう❓
唐戸市場の近くに関門連絡船の桟橋がある
0分30分の1時間2本
所要時間は5分だよ
向かいは門司港
門司港レトロや門司港駅は
映画のロケにも使われる映えスポット
門司港といえば焼きカレーが名物だ
海鮮に飽きたらカレーもいいかもね
同じ桟橋から巌流島へも船が出てる
こっちは40分に1本
巌流島には
・・・
とくに何もない
宮本武蔵と佐々木小次郎の銅像はあるけど
そうか、ここで決闘したんだね
何もないからかえって実感がわく
…かもしれない
唐戸市場から歩いて5分ぐらい
赤間神宮に行こう
安徳天皇を祀る赤間神宮は
ラフカディオ=ハーン(小泉八雲)の
耳なし芳一の話でも有名なところ
江戸までお寺だったけれど神仏分離で神社になった
海にも都は御座ろうぞと
二位尼が安徳天皇を抱いて海に沈んだところから
竜宮城を模した色と造りになってる
ここでは
毎年5月に先帝祭が開かれる
(今年は中止)
赤間神宮よりも古い歴史があるお祭りなんだけど
上﨟参拝(花魁道中)に
源平船合戦もあったりして
なんだか
いろいろ詰め込まれてるお祭り
(カメラオヤヂが大発生する)
下関を馬関というのは
かつて
赤間が関と言っていたのを
赤馬が関とも書いていて
そこから赤が取れて馬関になったらしい
赤間といえば赤間硯を思い浮かべたりするのは
中国地方の人間だけかな
下関や宇部の特産の硯
うちにもあるけど宝の持ち腐れ
赤間神宮のそばに
日清講和記念館という建物が
というか、これ春帆楼の中じゃん
日清戦争の講和条約である下関条約は
春帆楼で結ばれた
伊藤博文が故郷に錦を飾りたかったのと
李鴻章にフグを自慢したかったのと
自分もフグを食べたかったのと
(御法度だったフグを解禁したのは伊藤)
軍艦を見せつけたかったのと…
日清講和記念館には
当時の調度品そのままで
講和の部屋が再現されてる
調度品を眺めたあと
春帆楼でふくを食べるのもいいかもね
かなりお値段が張るけど・・・
(ちょっと手が出ない)
9号線をさらに500mほど進んで
関門橋をくぐると
関門トンネルの入り口がある
ここは徒歩専用の海底トンネル
歩いて門司まで渡ることができるよ
歩いて渡れる海峡なんて
なかなかないよね
とはいえ
15分ひたすら海底を歩くのだから
ちょっと勇気がいるなぁ
この入り口の近く
海岸沿いにみもすそ川公園がある
ここが壇ノ浦の古戦場あと
源義経と平知盛の銅像があったりする
そしてここに
長州藩が外国船に向かって放った大砲のレプリカがあるんだけど
いや、こんな華奢な大砲でよく連合艦隊相手に戦ったね
蟷螂の斧だよね
砲身には線彫の彫刻もあったりして
華奢な上に瀟酒な大砲だよ
そしてこのみもすそ川公園からは
関門橋がよく見える
というか見上げられる
橋と砲台と船
一度に見られてけっこうご機嫌
公園の隣には
場所代が入っていると思えばいいかなという感じの
海鮮料理屋が
瓦そばのついたコースもあるよ
お天気が残念な日は
ここでゆっくりランチを取りながら
橋と海峡を眺めたいね
さて最後に火の山公園に行ってみよう
みもすそ川公園からちょっと山手のほうへ
遊歩道と階段を上がると
ロープウェーの駅がある
ゴンドラからのんびり関門海峡を眺めながら山頂へ
海峡タワーとちがう角度で
(ちょっと近くから)
関門橋と関門海峡を見ることができる
夜も運行してるから夜景も見られるよ
火の山公園には
遊歩道で歩いて登ることもできるし
クルマだったらパークウェー(無料)がある
例年だと8月13日に海峡花火があって
激混みするけれど
今年は花火は中止
海峡花火は
下関と門司と両側から花火が上がる
とてもきれいだよ
さて
名残惜しいけれど
この旅はここで終了
火の山公園から海峡を見下ろしながら
今回の旅を終えることにしよう
ちょっと長くなってしまった
近畿を出発
山陰を西へと旅してきて
下関
この先は海だね
どこへ続いてるんだろう
さあ、次はどこへ行こうかな…
・・・その前に
とりあえず帰らないとね
下関
この先は海だね
どこへ続いてるんだろう
さあ、次はどこへ行こうかな…
・・・その前に
とりあえず帰らないとね
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